とある構造設計者の日記

気ままに想うことをブログに綴る

1級建築士試験(製図編)エスキスの勉強方法

エスキスの勉強方法

1級建築士試験合格のカギは間違いなく、「エスキス」です。エスキスはプランの方向性を決める重要な工程です。このエスキスの方向性を誤ると当然ながら不合格となります。出題者の意図をつかんだプランを作成した人だけが合格をつかみ取ることができるのです。設計者として仕事をするにはお客さんの要望を理解して建築に落とし込む必要がありますよね。1級建築士製図試験はそれと同じことだと私は思います。従って出題文の解釈を誤ると(お客さんの要望に応えることができないと)不合格になるのです。

エスキスはプロセスを確立しましょう

エスキスは課題文を自分なりに解釈してプランに落とし込む作業です。繰り返しになりますが、この工程が製図試験の全てを握っています。エスキスという工程では2時間で出題者の意図をつかんだプランを作成する必要があります。学科試験では過去問を繰り返すこと、理屈を理解することで力を伸ばすことができました。しかし、製図試験では毎年、課題が異なるので対策ができません。また、解釈によっては解答が分かれるようなものもあるつかみどころのないものです。私も製図の勉強開始直後はどのように勉強したらよいか戸惑いましたが、はじめはとにかくエスキスのプロセスを確立するために同じことを繰り返しました。エスキスは意外と機械的に作業する項目も多く、建蔽率の計算、グリッド割の決定等、この項目をクリアしたら次にこれといったように手順は課題問わず同じです。なのでその手順を手を止めることなく時間内にできるように訓練してください。

この勉強方法によって初期の段階でエスキスの手法が身についたと思います。エスキスの勉強方法がわからず戸惑っている方はまず同じ課題文でエスキスを何回も繰り返し、プロセスを確立してください。

エスキスのプロセスが確立された方は時間をはかりながらエスキスをしてみてください。同じ課題で良いので2時間でエスキスを仕上げられるよう訓練してください。

エスキスは同じ課題を繰り返しましょう

製図試験を迎えるのに課題文の数はそこまで必要はないと思います。資格学校ではおそらく10課題程度を対象に勉強すると思いますが、それで十分です。その課題を何回も繰り返してください。同じ課題でエスキスを繰り返しても意味がないのでは?とお思いの方もいらっしゃいますが、私は多くの課題をたくさんこなすよりも、10課題程度を繰り返し復習することの方が合格に近づくことがてきると思います。課題を繰り返す中で重要なことは ’なぜそのプランになったか’ 研究することです。そのプランは出題者の意図をつかんでいるのか、出題者は何を求めているのか、出題者の立場でプランを検討してください。また、課題文を読み込むとともに自分の解答と正答例を比較することで出題者が意図するプランを生み出せるようになります。

エスキスは必ず2時間で仕上げましょう

出題者の意図をつかみつつ、2時間でプランを練る必要があります。ただ、エスキスに慣れてくると「もっといいプランができるんじゃないか」と欲がでてきます。1級建築士試験ではこの考えはできる限り避けた方がいいでしょう。もっとこうすれば良いんじゃないかといろいろとプランが思いつくかもしれませんが、ある程度割り切りが必要だと思います。エスキスを引きずって製図を完成できなければ意味がありません。採点の土俵に上がるにはとにかく図面を完成させるためにエスキスを2時間で仕上げてください。本番の試験では受験者を振り落とすためにあいまいな文章が出題されたり、また課題文をすべて網羅しようとすると矛盾が生じたりと悩ましい場面に必ず遭遇します。しかし、これはしょうがないことなのでエスキスは時間内に納まるように仕上げて下さい。ここで重要なことは「プランの優先順位をつける」ことです。そのときには減点覚悟でプランの優先順位をつけ、減点を最小に抑えるようにしてください。実際、私も本試験ではどうしても課題文を満たすことができないところがありましたが、あきらめて突き進みました。それでも合格することができました。これはあきらめた箇所の減点が小さかったからだと思います。製図試験では受験者の全員が少なからず何かしらミスをします。減点の少なかった人が合格できる試験だということを皆さんも頭に入れておいてくださいね。また、合格した人の全てが完璧に製図を仕上げたとういうわけではないということも知っておいてください。

※この記事は1級建築士合格を保証するものではありません。この方法を実践されるかたは自己責任でお願い致します。あくまで参考にしていただけたら幸いです。