とある構造設計者の日記

気ままに想うことをブログに綴る

29歳で転職

現在私は建築構造設計事務所に勤務しています。以前は建設会社に施工管理者として勤務していました。この記事では私が未経験分野構造設計業に29歳で転職した経緯について記載しています。

29歳で転職を決意。工学的な判断により建築を造る構造設計を生涯の仕事にしたいと思い転職に踏み切った。しかし、構造設計は未経験分野。不安ばかり募る。ただ、今の自分には失うものなど一つもない。むしろ、得ることしかない。新天地で自分の無力さに気づき、傷つく怖さもあるというもの本音。でも、うじうじしてたら、あっという間に人生なんて終わってしまう気がした。辛いことに直面してもいつかきっと思い出になると信じて突き進もう。自分の理想に向かうことは、かなり勇気がいると思う。なんせ、もうすぐ30歳。年齢を重ねるにつれて挑戦することにだんだん億劫になってくる。

学校を卒業してはや4年。歳を重ねるごとに月日が流れるのが早くなると感じる今日この頃。人生の先輩方からは30歳までに人生の方向性を決めろ!と言われた。30まではまだまだ先のことだから、そんなに焦る必要ないやと思っていたら、30までラスト1年を切ってしまった。焦る僕。学校を卒業してはじてめて就職した会社はスペシャリストというより、ゼネラリストっていう感じ。就活してたときは自分自身と十分に会話して入社を決意したはず。実は違った。会話なんてろくにしてなかった。結局自分は他人に良く見られたという思いしかなかったのだ。この会社に入ったら、他人に良く見られる、会社というブランドを通して自分を評価してもらえると勘違いしていた。そして、お金さえもらえれば自分は満足すると勘違いしていた。お金は裏切らないと。でも、同年代の人たちより高い給料をもらっても幸福感なんて何も得られなかった。もう一度自分のやりたいことについて本気で考えるようになった。自分は社会でどんな役割を担いたいのかと。学生時代に情熱を注いだ建築の構造、そこに自分の原点があると思った。自分には建築の構造力学を生かした職業、構造設計しかない、そう思った。

構造設計事務所に転職して6ヶ月、悩んだ末に転職して本当に良かった。毎日、遅くまで仕事して、さらに以前よりも休みも少なった。それでも毎日勉強することがあり本当に充実した日々を過ごさせてもらっている。自分の学びたいと思った分野であれば多少しんどくても乗り切れると感じた。転職は未知の世界に飛び込むのと同じことであり、非常に勇気が必要である。しかし、人生は一度きり。何やるにも自分の責任と思えればどんな結果が待ち受けていても後悔はないと思った。

私が転職するにあたり背中を押してくれた本がある。私が尊敬してやまない、安藤忠雄さんの著書。この本があったからこそ転職に踏み切れたのだと思う。